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Mayamaxx Project

「明石普賢」が完成するまでの物語

京都現代美術館何必館の梶川芳友館長さんの企画、ご提案で、MAYA MAXXさんに、3m×10mの巨大絵画を描いていただきました。リーマンショックの後、お客さまからのご注文が極端に減り、業績も悪化して社内の雰囲気も少し元気がありませんでした。そこで社員とそのご家族のみなさんにワクワクしてもらおうと企画を実行。工場、それも金属を加熱・溶解するものづくりの現場で、みんなが見守る中、MAYAさんが絵を描き、それを工場の壁面に展示する。そんな世界でも例のないプロジェクトが実現しました。

「明石普賢」と題された絵画は、工場をお守りいただくシンボル的な存在となり、不思議なことに絵が完成した2009年9月から受注も業績もV字回復しました。

「明石普賢」制作風景

社員やその家族など大勢の人が見守る前でMAYAさんは、まず象の左目から描き始めました。「みなさんね、お子さんとかに絵を描かせるときには、必ず目から描かせてくださいね。何でかって言うと、さあ描くぞって、一番パワーが漲っているときに、一番大切な場所から描くのがええんです。それが目です。輪郭から描いちゃうと、その中に納めなならんって、しんどくなるでしょう。だから目から描いてくださいね。」そんな話をしながら、どんどん象を描いていきます。

象が出来上がると、両サイドに赤を塗り、その上に黄色を重ねました。さらには空の青と両側の上部を緑に塗ったかと思うと、今度はいきなりローラーを使い白の線を縦横に入れていきます。やがて蓮の花が描かれ、その上に子象が乗り、山や月が加筆されました。その後、横向きの子象をたくさん描いて、キャンバスの下の部分、深緑の上に蟻の行列もプラス。絵が見る見る変化していきます。
次はこの色でこんなものを描くのかなと考える予測を、ことごとく裏切る驚きの連続で、改めてMAYAさんの独創性に脱帽。

ギャラリー